プラバン.net を運営する nanabo から、新商品「両面フロストプラバン」が登場! 立体プラバン協会の作家会員さんから寄せられたリクエストに応えて実現した、今までにないプラバンです。
この「両面フロストプラバン」の新登場を記念して、作家会員のみなさんに実際に使ってみた感想や作例を送っていただく特集企画をお送りします!
1回目は、プラバンで作った藤の花ランプでおなじみのあいろさん。
いつもは大量のプラバンを自分で両面やすりがけしている作家さんからみた、この「両面フロストプラバン」の印象は……?
こんにちは、あいろです。
今回は私も作家会員として所属している、プラバン.net 運営のnanaboさんにご協力いただいて、現在nanaboさんで販売されている「両面フロストプラバン」と「片面フロストプラバン」の違いを検証してまとめてみました。
そもそもフロストプラバンとは?
プラバンは基本的に透明でツルツルの状態で売っていることが多いです。
それを各々紙やすりなどでやすり掛けをして、表面をざらざらにすることで、油性マーカーをぼかしたり、色鉛筆やパステルといった画材を使えるようにしています。
そのやすり掛けしたプラバンのことを今回はフロストプラバンと呼んでいきます。
かくいう私も、自分でやすり掛けをしているわけなのですが、作家ともなると必要なプラバンは大量で、それを1枚1枚やすりがけするのは本当に大変……。
ちなみに私は電動サンダーを使っています。
最近は色鉛筆などを使う方法がメジャーになってきたのか、フロストプラバンが企業様より販売されております……!
本当に助かる……!
ただ、多くは片面のみやすり掛けされていて、もう片面はツルツルの状態のものしかなかったのです……が! nanaboさんよりついに両面やすり掛けされたプラバンが発売されました!
そうとなれば、あいろがすることは決まっております。
片面フロストと両面フロスト、何がどう違うのか……検証するしかあるまい!
というわけで、ここからは同じ形のお花を、片面フロストと両面フロストで作り比べて、気づいたことをまとめております。
少し長いかもですが、どうぞお付き合いくださいませ。
片面フロストと両面フロストの違いを検証!
焼く前の状態の違い
まずは色付けなどをしていない状態で比較してみます。


こうしてみると、両面フロストのほうが不透明感が強く、若干白みが強いです。若干ですが両面フロストのほうの文字がぼんやりとしています。
とはいえプラバンなのではっきりとした線の図案を透かしてなぞる分には困らなそう。
複雑な模様や細い線、薄い色の線をなぞろうとしたら、ちょっとわかりにくくなるかもしれないです。
焼き縮めて比較
今回の着色は透明感も検証したかったので、全体をコピックを使って同じ濃さになるように着色しています。アクセントに花びらの根本だけパステルを使って濃い色を乗せました。
着色後の感じは、両面フロストのほうが若干白っぽく見えるかな?くらい。
大きな違いはあまり感じませんでした。
焼き縮めたときに、あいろの肌感ではあるのですが両面フロストのほうが薄く仕上がったように思います。
また、両面フロストのほうが薄い分冷めるのが早いので、曲げ加工をするのが少し難しかった印象がありました。


まず見てわかる透明感の違い。片面フロストのほうがツヤッとした透明感があります。
また、片面フロストは裏側がツルツルなのでその面に反射した光がキラキラとして綺麗。特にフチに近い部分やスジ彫りをしたところはキラキラ感が強いです。
透明感は綺麗なのですが、今回の色のように淡い色合いは透明感が出ることで逆に色が判りにくくなってしまうかな、と感じました。
一方で両面フロストは全体的に白っぽさが出て、1つ1つのパーツにメリハリが出る印象。色も片面フロストよりわかりやすい感じがします。
スジ彫りの部分は強く主張せず、よく見たらわかる、といった感じに。
模様として線を入れるのであれば、色鉛筆を使うなどの工夫がいるかも。
テクスチャとしては良い塩梅なので、細かなディテールを作りこむのに向いてそう。
組み立てて比較
最後に、花びら1枚1枚を組み立ててお花にしたときの印象を比較してみます。

組み立ててみると、より雰囲気の違いが判るのではないでしょうか。
両面フロストのほうはしっとりとした柔らかな雰囲気に、片面フロストはしっとりとした中に凛とした強さのある雰囲気を感じます。
特に透明感の中に、芯の強さみたいなものが片面フロストにはあるかな、といった印象。
花びらの重なりが出たことで、片面フロストの方は色が濃く強くなった感じがします。
一方で両面フロストは花びらの重なりによって色が濃くなることはあまりなく、やわらかい淡い色を表現するならこちらのほうが向いているかも。
また両面フロストのほうが透明感が低い分、1つのお花としての主張の強さみたいなものを感じます。
片面フロストは中心に印象の重きを置きつつ、周りに向かってグラデーションしていく感じで、両面フロストは印象の重さを平均的に伸ばしたような感じ。
メインモチーフのお花は両面フロスト、サブのお花や葉っぱは片面フロスト、なんて使い分けをしても全体にメリハリが出てまとまりもいいかもしれないです。
さいごに
今回は両面フロストと、片面フロストのプラバンの作り比べをしてみました。
どちらがどういった表現に向いているのかを中心にまとめてみたのですが、いかがだったでしょうか?
どちらが優れているというわけではなく、表現の選択肢としてどちらを選ぶか、皆さんの今後の制作の参考になれば幸いです。
最後になりますが、今回比較した両面フロストプラバン、片面フロストプラバンは現在nanaboさんにてイベントでの販売や、通販もしています。
もしよかったらお手に取ってみてくださいね。
nanabo アート&クラフトラボ のオリジナルプラバンシリーズ、第3弾は――
これも今までなかった(当方調べ)!
《両面やすりがけ済みの半透明プラバン》!
立体プラバン協会の作家会員さんからもリクエストが多かった、表と裏の“両面”をやすりがけしてあるプラバンを、ついに作りました!
この記事が、誰かの作るって楽しい!に繋がりますように。
それでは、みなさま素敵なモノづくりライフを!
今回使った主な資材
プラバン
着色
COPIC RV95(Baby Blossome)
ヌーベルカレーパステル #022 クリムソン
スジ彫り
TAMIYA スジ彫り超硬ブレード 0.5mm
#PR ※本企画では、nanabo アート&クラフトラボ から商品をご提供して作家会員さんにレポートを依頼していますが、忖度のない本気のレポートをぜひ!とお願いしています。






